2015年2月24日火曜日

安物だけど十分? SIMロックフリースマホ freetel priori2のレビュー

SIMロックフリースマホ freetel priori2のレビューです。 1ヶ月と少し使っての感想など書いておきます。

priori2は今年の年始前後に販売開始されたスマートフォンの中でローエンドに位置する商品です。 LTEに対応していないぶん安値で販売されています。 とはいえ、SIMロックフリーのスマホには格安SIMを挿すことでしょう。 通信速度の速いLTEの帯域を生かせるような格安サービスは無いのでLTE未対応というのは気にしなくてもいいはずです。

処理能力については問題なさそうです。 Firefoxなど有名なアプリをいくつかインストールしてみました。 動作に重さを感じるようなものはありませんでした。

priori2のCPU性能と搭載メモリってiPhone5(1つ前の世代)と同程度なんですよね(CPUコア数は倍)。

  • CPU : 周波数は同程度の1.3GHzだが、iPhone5が2コアに対してpriori2は4コア。
  • RAM : 1GBで同じ

もちろん、osも違うし廉価版チップと高性能チップの差とか非公開のグラフィックチップの差とかがあるのでカタログスペックを鵜呑みにするわけにはいきません。 それでも「実は酷いカタログスペック詐欺」という事は無さそうです。 それなりに現役ユーザーが居るであろうiPhone5でも動くように開発されているアプリやサービスは多いはずです。 性能のせいで問題になる事はあまりないかと思われます。 値段も値段ですし、iPhone5と比べても遜色ないpriori2はスマホ入門にはよい商品かもしれません。

同時期に発売された他のローエンドスマホにはメモリ搭載量0.5GBの物もあります。 それに比べるとメモリ搭載量1GBはやや安心できます。

カタログスペックの項目で買う前に気になっていたのは画面サイズ(FWVGA : 854x480)の粗さでした。 しかし、粗いといっても今PCで使っているモニタ(21.5型フルHD)と比べると、ピクセルのサイズは縦横それぞれ半分の細かさです。 文字のアンチエイリアスとかは目を凝らしてやっと分かるようなものでした。 普通に使っていて気になる事は無さそうです。

インストールしたアプリの中で画面の解像度が問題になる物はありませんでした。 格安スマホにはpriori2より画面の解像度が粗い物があるようです。 そちらは使いたいアプリが動くのか確認してから買った方がいいでしょう。 おそらくスマホを周りが使っているように使いたいなら、priori2の画面解像度が下限かと。 言い換えると、priori2も進歩に取り残されて1~2年後に使えないアプリが出てくる可能性はあります。 Lineとかは多くの人が使えるように配慮しながらアップデートするので大丈夫でしょうけどね。

問題はタッチパネルです。 Amazonのレビューでもいくつか話題になってますが、タッチパネルの精度はそんなによくありません。 何が原因か分かりませんが、一時的にドラッグした場所がやけにブレることがあります。 一度スリープして数時間後に使ったら普通になったりします。 静電気が原因ならスマホのせいでは無いんですが、どうでしょう?

タッチパネルの画面端の反応もあまりよくないです。 縦画面でQWERTY配列のソフトウェアキーボードを表示すると1文字分のキーが小さくなりますが、そのとき端の文字が上手く打てなかったりします。 SNSでの日常のやり取りや暇つぶしなどではたまにイラっとする程度で済むかもしれません。 慣れれば気にならないという人もいるでしょう。 しかし、スマホで長文を書きなぐったりゲームをやり込んだりするには向かなそうです。

バッテリーは容量少なめ。 他の格安スマホと比べても1~2割少ないです。 ゲームとかしてたら2~3時間で8割消費します。 外出時は連絡用/調べ物用と割り切るか、モバイルバッテリーを用意するかのどちらかですね。 モバイルバッテリーはAmazonで探せばいっぱいあります。

バッテリー交換をするには裏蓋を開けなければなりません。 裏蓋はスマホの全面を覆うタイプです。 裏蓋を見ると、固定するためのツメはありますがそれをどうにかして開け閉めするような仕掛けはありません。 開けるには細いマイナスドライバーを隙間に差し込んでこじ開けます。 あまり開閉するとすぐにツメが壊れて裏蓋が閉められなくなりそうです。 バッテリーの他、SIMやマイクロSDカードは付けっぱなしと考えた方がいいでしょう。 そのへんはもうちょっと考えてほしかった。

ちなみに、freetelのネットショップでバッテリー単品が買えます。 クレジットカードがいるので、持ってない人はコンビニでVISAプリペイドカードなどを用意する必要があります。 裏蓋の開閉が面倒なことを考えると、これを買うのはバッテリーがヘタってからですね。

Wi-Fiについて。 格安SIMはデータ通信量の制限があることが多く、Wi-Fiの通信に頼っているユーザーも多いかと思います。 このWi-Fi、我が家では調子が日によってかなり変化します。 普通に使えることもあれば、数分に1度途切れて再接続になることもあります。 「日によって」ということはpriori2のせいではないのかもしれません。 priori2のWi-Fi電波送受信が弱いから少しの干渉で途切れているのかもしれません。 そのへんは周りの電波の状況が分からないのでなんとも言えないです。

Wi-Fiの調子が悪いとき、YouTubeを見るのは厳しくなります。 ブラウジングなどリアルタイムである必要がない用途は問題ありません。 再接続でたまに待たされることもありますが、5秒程度です。

最後に、いくつかのゲームの動作報告をしておきます。

  • パズドラ :

    ゲーム開始直後のユーザー登録終了時にフリーズしました。 しかしアプリ再起動で問題なく動作。 以降不具合は無し。 たまにタッチパネルの機嫌が悪いときは上手くパズルが出来ませんが、そのときも無理をしなければそれなりに遊べます。 静電気対策をまだ試してないのでやってみなければ...

  • キャンディクラッシュ :

    ソーダの方じゃなくて前作の方を試しました。 普段は問題なく遊べます。 たまにサーバーと接続できないことはありますが、おそらくサーバー側の問題だと思われます。 接続が出来なくてもアプリ内購入などができないだけでゲームは可能です。

  • 魔法使いと黒猫のウィズ :

    インストール直後はずっと「通信中…」と表示されて何も出来ませんでした。 その後しばらく経ってから立ち上げてみたら普通に遊べました。 どうやらサーバー側の問題だったようです。 序盤のいくつかのメインクエストをクリアするところまでやりました。 3Dを使ってるところもありますが、スマホの性能が問題になる事は無さそうです。

  • 聖剣伝説 RISE of MANA :

    3Dのゲームということで動作確認のためにプレイ。 導入イベントとクエスト1つをクリア。 画面切り替え前後などたまに微妙にカクつきますが、プレイに支障はありませんでした。 凝った演出の場面には出くわしてません。 その場合どうなのかは不明。

まぁ、こんな感じですね。 まとめると、タッチパネルにやや難があるけど、その他は及第点です。 最新技術を盛り込んだゲームやアプリはこの先厳しいかもしれませんが、日常的なコミュニケーションや今流行っているゲームなどは大体できるでしょう。

こんな人にお勧め。

  • 用途がハッキリしている。 最安値のスマホでそれだけ出来ればいい。→

    知恵袋などでできるか聞いて、できそうならGO。

  • 子供の初めてのスマホに。→

    要本人と話し合い。 知識のある子なら大丈夫だが「友達のと違う」と泣かれてこじれる可能性も?

  • 周りが持っているから何となくスマホを始めたい。→

    周りがスマホならLineなどで無料通話ができる。 安いから自分に合わなくてもダメージは少ない。

どちらにしても、SIMカードは自分で用意する必要があります。 分からないなら分かる人に相談に乗ってもらって手を出すべきか検討しましょう。 初期費用はpriori2の代金の他に手数料や小物などで5000円。 格安SIMの月の維持費は、ガラケー+αな使い方なら2000円弱、一通りの機能を使うなら使い放題プランで4000円が目安です。


蛇足ですが、今机の引き出しの中にVAIO type U VGN-U70Pが眠っています。 購入価格は20万程度だったはず。 CPUは1Ghz、メモリは512MB、HDDは20GBでした。

今のローエンドスマホはそれより性能がいいんですね。 CPUは1.3倍速でコア4つ。 メモリは倍。 ストレージは8GBしかないけど、2~3000円出せば32GBのマイクロSDカードが手に入ります。 重さはVAIOが550gに対してpriori2は132gで四分の一以下。 画面サイズはほぼ同じ!です。

PCの性能は停滞しだしてから長いと思ってましたが、スマホはPCの性能に着々と近づいてますね。