2013年6月18日火曜日

鉄拳レボリューション : 2番目のキャンペーンは課金者優遇

1週間ほど前にサービス開始された格闘ゲーム「鉄拳レボリューション」の2番目のキャンペーンが始まりました。 中身は「課金者優遇」でした。

このゲームをするためには仮想コインが必要になります。 仮想コインはソーシャルゲームのように30分毎に自動補充されるもの(対戦コイン:最大5)と購入するもの(プレミアムコイン)があります。

このゲームにはキャラクターの強化要素もあります。 試合終了時に試合内容に応じた経験値が入り、経験値がたまるとレベルアップ、キャラクターの能力を鍛えられるのです。 経験値はただで自動補充される対戦コインよりもお金がかかるプレミアムコインの方が多くなっています。

この1週間のキャンペーンはその経験値の割り増しです。 経験値が1.5倍になります。 つまり、課金プレイヤーの方がキャラクターの強化ができます。

このキャンペーンが収益につながるかどうかというのは疑問ですね。 このゲームは初心者とシリーズの経験者が戦うと、初心者が何もできずに一方的にやられてしまいます。 強化要素の恩恵が実感できる初心者は少ないでしょう。 今はサービスが始まったばかりで初心者と経験者が入り乱れています。 初心者と経験者の対戦はよくある事です。 初心者から見たら「ボコられている自分には関係ない。お金をかけて対戦しまくっているヘビーユーザーだけが得をする」というキャンペーンに見えます。

今、格闘ゲームは敷居の高いゲームとして認識されています。 プレイヤーの数も少なめです。 新作が発表されると初心者は寄ってきますが、その初心者は数ヵ月後ライトユーザーとならずに離れていってしまいます。

運営がやらなければならない事は、その「ライトユーザー離れ」を引き止める事です。 そうしないとプレイヤーの総数が減って、いわゆる「過疎った」状態になります。 過疎るとヘビーユーザーまで「このゲーム、人気ないんだ...」と考え、離れていってしまいます。 それはよい状態ではないでしょう。

今回のキャンペーン、他のゲームではありがちなネタかもしれませんが、こと格闘ゲームに限るとあまりよい策ではなさそうに見えます。 ネットでは「ヘビーユーザーはこのソーシャルゲーム全体の収益の?割を課金している」という記述をよく見ます。 今回のキャンペーンはそのヘビーユーザーに今すぐ金を出させる作戦です。 しかし初心者には効きづらい。 数ヵ月後のヘビーユーザーまで減らしてしまう可能性があります。

「じゃあどんなキャンペーンなら良かったんだ?」と聞かれると ... せっかくソーシャルゲームの要素を取り入れたんだから、「課金の仕方」とか「重課金者が悦に入れるシステム」だけではなく、人がクラスタを作る方も考慮した方がよかったんじゃないですかね? 初心者同士がソーシャルネットのようなつながりを持って抜けづらく、「あの人が課金するなら私も課金しないと...」という強迫観念に駆られるキャンペーン...

ってこれはシステムごと用意しないとダメか。

話は脱線しますが、今の格闘ゲームのランクドマッチや部屋を作っての対戦は昭和のカラオケバーのような物だと思うんですよ。 常連さんが初心者を追い出すようなところがあります。 「ソーシャルゲームの要素を取り入れよう」っていうアイデアはそれを打ち破ってカラオケボックスを思いつくチャンスだったように思えるんですよね。 その時点での同じレベルの人が集まって「身内」を形成するようなシステム、それがプレイヤーの上達具合で自然と入れ替わるようなシステムを作っていたら、今までの格闘ゲームとは違った成果が期待できたのではないでしょうか。

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重課金初心者の心の呟きを想像。 「課金してタフネス上げまくったけど、上級者にボコられる時間が長引いただけだった...」

ちなみに私は無課金プレイヤーなのでこういうのとは無縁です。 ボコられてはいますが。